解く課題
誰のどの不便・負担・機会損失を変えたか
データ活用、CRM、宿泊運営、生成AIの事例を、導入したツールではなく「課題・施策・成果・再現ポイント」で整理しました。
公開・最終更新:2026年8月25日
成功事例をそのままコピーしても、地域の体制や課題が違えば定着しません。次の3点を分けて読むと、自地域へ置き換えやすくなります。
誰のどの不便・負担・機会損失を変えたか
導入後に誰が何を続ける仕組みになったか
利用数だけでなく地域成果と業務成果を測ったか
公的機関が公開する3事例と、OYKOTが支援した2事例を掲載しています。数値や成果は各出典で確認できる範囲に限定しています。
データ活用・AI
交通集中と人手不足に加え、地域の実態を説明できる客観データが不足していました。
箱根DMOが混雑情報と周遊情報を載せたデジタルマップを整備し、そのデータをAI旅程提案や多言語の飲食店代理予約にも展開しました。
デジタルマップは月間利用1万人の目標を数カ月で達成し、2026年3月時点で2万人を超えています。
混雑を見せるだけでなく周遊・消費という地域成果と組み合わせ、紙地図のQRなど現地の利用導線まで設計しています。
CRM・デジタルチケット
旅行者との継続接点をつくり、ニーズを把握しながら地域内周遊とリピーターを増やす必要がありました。
観光CRMアプリで交通乗り放題券、ポイント、クーポン、スタンプラリーを提供し、利用データを施策改善へつなげました。
桜島エリアのポイント施策で来店者数が増え、スタンプラリーやデジタルクーポンでも送客効果が報告されています。
顧客情報を貯めること自体を目的にせず、困りごとや行動に応じた施策をすぐ実行できる運用が重要です。
DMP・組織づくり
県域のデータを集めても、市町や観光事業者が自ら分析して施策に使える状態にはなっていませんでした。
広島県観光連盟が観光データを公開・活用できる形に整え、2019年から毎月の勉強会とKGI・KPIのロジックツリーを運用しました。
2022年度の勉強会には延べ約200人が参加し、県域で自発的にマーケティングを行う人材づくりを継続しています。
ダッシュボードの提供だけでは定着しません。担当業務と観光消費額などのKGIを結び、学ぶ場を継続する必要があります。
宿泊DX・省人化
複数施設への拡大を前に、OTAごとの在庫・料金管理やチェックイン対応がスタッフ個人に依存していました。
PMS・サイトコントローラー・セルフチェックインを組み合わせ、OYKOTが現場の運用フローと定着手順を設計しました。
フロントスタッフを増員せず、運営施設を3施設から8施設へ拡大できる体制を整えました。
システム導入だけでなく、例外を含む現場手順とスタッフへの共有までを一つの実装範囲にします。
生成AI・人材育成
観光・交通事業者の書類作成や情報整理に時間がかかる一方、AIを何から使うか決められませんでした。
2時間の実践講座で、実際の案内文、資料、議事録、問い合わせ、配車データなど6業務を題材にしました。
受講後、書類作成の所要時間が約30分から約5分へ短縮されたと報告されています。
新システムを先に導入せず、日常業務の小さな成功から利用者自身が改善できる状態をつくります。
規模や技術は異なっても、実装を進める順序には共通点があります。公募や製品選定の前に、次の4点を計画書へ入れます。
混雑、再訪、予約管理、書類作成など、最初に変える業務と対象者を具体化します。
旅行者への周知、事業者の入力、例外時の対応までを導入範囲として扱います。
利用者数や処理時間が、観光消費・周遊・再訪・生産性にどう寄与するかを決めます。
少数施設や頻出業務で検証し、現場データをもとに継続・拡張を判断します。
同じツールだけでは再現できません。地域の課題、利用者、運用担当、KPI、既存システムが異なるため、事例からは機能よりも課題設定と運用方法を読み取ります。
始められます。全地域・全業務を一度に変えず、問い合わせや書類作成など一つの頻出業務、または少数施設で検証し、効果を確認してから広げます。
利用者数だけでなく、周遊・消費・再訪などの地域成果と、対応時間・入力工数・データ提出率などの運用成果を分けて確認します。
地域の体制・既存システム・予算時期を確認し、90日で検証できる範囲とKPIを一緒に整理します。