OYKOTってなに?意味を知りたい!
(キーワード:OYKOT 意味 地方 社会)
「OYKOT(オイコット)」という言葉を聞いたことがありますか?
「OYKOT」は近年日本で作られた造語です。最近よく目にしたり、耳に入れたりするようになったりした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
漫画やアニメで大人気のONE PEACE(ワンピース)でも「オイコット」というワードが登場しており、最近、ネット上で注目されています。
注目を集めている一方で、その言葉は一体なんなんだ?と思われている方も多いと思います。
この記事では、まだあまり世間に知られていないこの言葉の意味や由来について掘り下げていきます。
「OYKOT(オイコット)」の意味とは?
TOKYOの文字をひっくり返した言葉で、「非東京的」の意味。非東京的、つまり東京にはない地方にある魅力とは、土地の安さから自分の家がもて、職・住・遊の接近から生活時間を有効に使える。東京の生活は、時間・空間・人間関係において貧しく充実感が乏しい。OYKOTの豊かさ、TOKYOの貧しさが歴然としている。生活総合研究所(博報堂)調査から。
東京を英語で表記した「TOKYO」という文字列を後ろから順に並び替えると、「OYKOT」となります。一度分かってしまうと、とてもシンプルな言葉遊びで作られた単語だったんですね!
意味としても「東京」に、反対や否定の意味を持つ「非」をつけ、「非東京的」という意味を表しているそうです。
「東京」の反対を意味する言葉には「地方」というものがありますが、「地方」には都心部に比べて低い生活費や、短い通勤時間、密接な人間関係といった「東京」やその他の都市部にはない「地方」ならではの豊かさや魅力があります。
「OYKOT(オイコット)」という言葉は、東京に代表される都市部が抱えるさまざまな問題に対比させて、地方の豊かさを強調する意味を含んだ言葉だったということが分かりました。
OYKOTの由来
「OYKOT」は、先程引用した博報堂(生活総合研究所)の『オイコット・ライフ─「非東京的」生活の魅力』の中で提唱された言葉です。
(1989年に博報堂生活総合研究所が編集し、にっかん書房から出版されています。)
生活総合研究所(博報堂)では日本の消費者の生活や価値観、行動に関する調査や研究を行っているようです。
時代の変化や社会トレンドを反映したキャッチーなフレーズやコンセプトを提唱しており、「OYKOT」もそのうちの一つです。
ワンピースに登場するオイコット
冒頭で触れたONE PEACE(ワンピース)の「オイコット」は、
主要な登場人物の一人である麦わら海賊団航海士のナミが、赤ん坊の時に拾われた王国(生まれ故郷?)の名前が「OYKOT KINGDOM(オイコット王国)」だそうです。
2023年8月に配信が開始された、実写版『ONE PEACE(ワンピース)』にその名前が登場したことで今注目を集めています。
なぜOYKOTが話題なのか?
「地方」と「都市部」
現代日本の社会問題を考える上で、地方と都市部の二極化は非常に重要な論点となっています。
日に日に深刻さを増しているそれらの問題に対する意識の高まりに合わせて、「OYKOT(オイコット)」というキーワードが注目され始めていると考えられます。
そこで一度、現代社会における「地方」と「都市部」の違いと関係性を整理してみましょう。
東京には、
- 大手企業や多様なビジネス
- 生活の利便性(24時間営業、交通網など)
- 様々な娯楽施設
- 多数の教育機関
- 国際性や多文化共生
など地方にはない多様な選択肢や情報、文化があります。
一方で、
- 人口過密によって起こる住居問題(住居不足や地価の高騰)
- 人間関係の希薄化や仕事の忙しさから発生する孤独や孤立問題
- 賃金に対する生活費や交通費の高さによる生活の貧困化問題
などさまざまな問題があります。
地方には、
- 共同体意識の強い地域コミュニティ
- そこで行われる地域行事
- 近隣住民での助け合い
- 身近にある自然
- スローライフ
- 自給自足的な生活
- 物価の安さ・安い地価
など東京にはない暮らしの豊かさがあります。
その一方で、
- 東京に人口が流出し続けることで起こる人口減少と高齢化
- 労働力不足
- 地域経済の縮小
- 過疎化による地域コミュニティの崩壊
- 空き家問題
などさまざまな問題が起こっています。
このような社会状態の中、
人々の意識の変化を示すものとして、以下のような調査結果が出ています。
現代の若者の意識
日本財団が2020年に実施した18歳意識調査では、日本全国の17歳〜19歳男女に調査が行われ、
「将来どこで暮らしたいですか?」という質問に対し、43.5%地方、56.5%が都市部と答えた。
前年度比では地方で暮らしたい人が4.7%増加。
データが示すのは、将来地方で暮らしたいと考える若者が増えているということです。
その理由としては、地方の豊かさに価値を感じる若者が増えているということが考えられます。お金では買えない魅力に惹かれていたり、生活の豊かさにフォーカスするようになっているのかもしれません。
また、東京の社会問題の深刻化も影響していると言えるでしょう。
生活コストが高い東京では、生活にゆとりが生まれず、自分のやりたいことや夢にも挑戦しにくいと考えられます。
生活コストが東京よりかからない地方の方が生活のゆとりは生まれ、やりたいことや夢に挑戦することができるようになるかもしれません。
OYKOT的な社会とは?
今後、日本では、上記のような社会問題の解決や現代の若者の価値観の方向性に沿った「OYKOT的な社会」がやってくるでしょう。
最後に、この「OYKOT的な社会」について解説します。
OYKOT的な社会の主な特徴は、安心できるコミュニティでの生活を地方で行うことです。
OYKOT的な社会のコミュニティには以下の3つの特徴があります。
- 持続可能な生活基盤(最低限の収入・食・住)がある
- 特殊な価値観(自分軸の生き方で社会に貢献する)を共有できる仲間がいる
- 豊かな社会資本(インフラ・教育など)の恩恵を受ける
です。
そして、この安心できるコミュニティで生活することで、
自分のやりたいことに挑戦するハードルが下がり、実際にやりたいことや夢に挑戦したり、
それによって社会に貢献したりすることができるようになると考えています。
「OYKOT」的な社会が実現・浸透することは、
一人ひとりが自身の能力を存分に発揮できる社会を築き、
実際にやりたいことや夢に挑戦し、個々人の才能が光ること、
今よりも幸せを感じられる人が多い社会を創ることができるでしょう。
まとめ
以上、近年注目されている「OYKOT」の意味や由来について解説しました。
私たちは記事後半で説明したようなOYKOT的な社会を目指しています。
「OYKOT」についてさらに興味を持たれた方、
「TOKYO」の生活に疲れてしまった方、
地方の豊かさに引かれている方、
今の社会に違和感を持たれている方、
私たちと一緒に今一度「地方」に目を向けてみるのはいかがでしょうか?